2023年02月28日
9月の東京国立博物館の個展(寒山百得展)の100点はもう完成しているけれど、開催時には、そこには僕の意識は別のところへ行っているだろうなあ。

その時、皆さんが見ている絵は何光年も前の失くなった星を見ているそんな感じだと思いますね。作家は描いている時のみ、絵の前にいるけれど、描き終った時は、すでにない星の存在と同じです。

周辺の知人や、その父親が、ぼくと同じ急性心筋梗塞で3人も亡くなった。なる時はなるんだから「シャーナイ」と思う。運命だと思って受け入れるしかない。それに抵抗してアタフタしても成るようにしかならない。成るようにしようと運命に逆らうのはぼくの趣味じゃない。

死も救いだと思ったと、心筋梗塞の苦痛の中で思ったと、この前この欄で書きましたよね。その時、生きることと死ぬことがそれほど変らないと思った。

2023年02月24日
この度、日本芸術院会員に選出されたことで、大勢の方々から、祝電、祝メール、お花を頂き、心からお礼申し上げます。今年度からは従来の選出法がかなり大きく変り、その変り目に私も選出されました。命の尽きるまで、これからが本番だと思って頑張らないでほどほどにガンバリます。

従来の日本芸術院会員は日展系と団体展系の作家が会員の対象だったのが、本年から現代美術の作家にも光が当り始めました。まだ名称がやゝ曖昧ですが、今後の美術界への期待になればと思います。

2023年02月20日
この間、友人のAさんが来て、お父さんが急性心筋梗塞で亡くなり、やはり知人の美術館の館長も勤務中に心筋梗塞で倒れて2週間後に亡くなり、今日、仕事仲間のMさんのお父さんもゴルフ中に急性心筋梗塞で、当日に亡くなりました。

僕は同じ病気で倒れ、救急車で運ばれ、命だけは取りとめましたが、心筋梗塞は本当に怖い病気です。その前にも何度か、心電図を撮って心臓だけは大丈夫だといわれていただけに、びっくりです。

何が起こってもおかしくない年齢です。それも元気な時に突然起こります。だから、気のつけようがないのです。倒れるまで心電図にさえ出ないのです。

2023年02月15日
「タマ、帰っておいで」(講談社)に続いて、「見えるものと観えないもの」(ちくま文庫)が重版されました。「見えるものと観えないもの」は対談集で吉本ばなな、中沢新一、河合隼雄、草間彌生、梅原猛、島田雅彦、黒澤明さんら11人との対談です。

「見えるものと観えないもの」1997年初版で、今年で26年間のロングセラーです。どの対談を読んでも、現在が語られていて、今、どう生きるかのメッセージを示唆しています。あとがきの和田誠の友情にあふれた文に今さらながら感動しました。

この本で対話した人達全てがイキイキしています。どの人も最も油が乗っている頃で、「時代」そのものが語られています。自分で言うのも変ですが、今、尚売れている意味がよくわかりました。
https://www.tadanoriyokoo.jp/product/560



↑↑ GO TO THE TOP ↑↑