2012年1月30日
朝日賞受賞の言葉(全文)
 朝日賞受賞の報告を受けた時、中々現実感がなく目を開けて夢を見ているような感じでした。元旦の新聞発表をみてさえ実感が薄かったのですが、授賞式での受賞の言葉を述べる段になれば肉体を通して実感が湧いてくると思います。
 絵画も肉体的行為です。描く前から主題や様式をいくら考えても、それは観念的な言葉と戯れているだけで、実際キャンバスの前に立って絵筆を動かして初めて肉体的になれるのです。すると脳が発する言葉ではなく肉体が発する言葉がぼくを支配し始めます。その肉体の言葉は本能とか魂と呼ぶものに近いように思います。
 ぼくにとって絵画はぼくの頭の中でざわめく言葉との闘いでもあります。その言葉にとらわれている間はなかなか真の孤独になれません。絵を描くということはぼくの頭の中の言葉を消す作業でもあります。言葉が一切消えた時ぼくは無心になり、個人から個という普遍にたどり着く準備ができるのです。
 ぼくが絵の完成を求める限り言葉はなかなか消えてくれません。だけどある時、完成させることには意味がない、絵は未完でいいのではないかと感じたことがあります。人間は未完で生まれ未完で死んでいくのだから、絵も完成させる必要はない。むしろ重要なのは政策のプロセスだと気づきました。するとたちまち完成という脅迫観念から解放されて自由になり、絵を描く歓びと出会うことができました。
 ぼくはグラフィックデザインの時代は常に言葉と体峙していました。しかしその様な体験が、現在の絵画制作のための試金石であったことを知りました。グラフィックから出発して絵画に到る必然性がやっと理解できたのです。
 朝日賞はぼくにとってひとつの事件だと認識しています。創造には常に事件が伴います。事件は日常の秩序や調和を破って新しい局面に向わせてくれます。ヨーロッパには運命の女神がいますが、朝日賞はぼくにとっては運命の女神です。この運命の女神に導かれながら、残された時間をせいいっぱい創作人生にかけたいと思っています。この素晴らしい賞をいただいたことを感謝いたします。ありがとうございました。


2012年1月24日

「初雪を見るタマ」
 



2012年1月23日
土曜日、丸善で瀬戸内寂聴さんと「奇縁まんだら」のサイン会を行った。予約の100人のほぼ全員が年輩の男性ばかりで、美術館の公開制作に来る若い人がなく、不思議な光景だった。大半が瀬戸内さんのファンだろう。マグリットの画集(洋書)買う。日曜日は2ヶ月振りでヘアーカットになじみのピカ・ビアへ行く。夜はオイルマッサージに行く予定。



2012年1月20日
ストーブが入っても寒いアトリエから抜け出して雨の街へ出る。喫茶店で書評用の本を読んだり、古本屋で長居する。いつも古本屋に入るとなぜか絵のアイデアが浮かぶが、きっと場所の相性がいいのだろう。昨日撮ってもらった子猫の動画(ホームページ)が実に面白い。必見。

○本日の寄贈本
インターシフトより「喜びはどれほど深い?」ポール・ブルーム著
河出書房新社より「伝説のCM作家 杉山登志」川村蘭太著
一青妙さんより「私の箱子」一青妙著/講談社
明石書籍より「現代広告事象論」田中水四門著


2012年1月19日

2012年1月18日
○本日の寄贈本
現代書館より「本当にあった?グリム童話『お菓子の家』発掘」
ハンス・トラクスラー著
日貿出版社より「寺社の装飾彫刻」若林純著

公開制作の疲れと、アトリエが寒いのとで、今朝はちょっと変だったが、公園で日光浴をしながら、朝日新聞の書評を書き、少し回復。でも3時過ぎになるとモーレツに気温が下る。今日はアトリエに大きいストーブが来ることになり、その工事をしているので絵は描けない。今日は「猫びより」誌で事務所の猫取材。取材のあと4匹ともぐったり眠っている。

2012年1月17日
昨夜、2時過ぎだったかな。トイレに行ったあとテレビをつけたらミスター・ビーンの映画をやっていたので、馬鹿馬鹿しいと思いながら、ついつい見てしまったが、後半のドタバタはアバンギャルド映画を見ているようで、(映)画中(映)画で、とんでもない次元に観客を運んでいった。今日は快晴。平野啓一郎さんが来るけど、どうせアトリエは寒いので公園にでも行くか。

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2012年1月16日
成城から府中へタクシーで行く。4790円だったがポケットのお金を全部はたいて払うと、28円残った。運転手もこちらも冷や冷やだった。公開制作のあと久し振りで焼肉店へ行く。府中市美術館の井出館長の誘いで武蔵野美術大学の女生徒2人と韓国の女子留学生2人、6人で府中駅前の大きい焼肉店へ。

2012年1月13日
昨日は物凄く寒かったですね。アトリエの暖房機が壊れていて、絵など描ける状態ではなく、体が冷え切ったので夜はオイルマッサージでひと汗かいてきました。今朝も昨日より気温は低かったけれど徐々に上昇するそうです。制作も上昇するといいのですが。

2012年1月12日
幕の内視鏡と他の症状の結果を識るために病院に行くが、問題なし。問題は事務所と自宅の猫にあり。

2012年1月11日
亜紀書房より「ザッツ・ア・プレンティ」松岡弓子著
早川義夫さんより「ラブ・ゼネレーション」早川義夫著(文遊社)
斎藤慎爾さんより「永遠と一日」斎藤慎爾著(思潮社)
酒井忠康さんより「石の周辺」山口さとこ著(美術出版社)

2012年1月10日
事務所は4匹の猫に占拠されて、人間が人間でいることが困難になってきました。

アトリエの鍵が開けにくくて、今日はとうとうアトリエに入ることができなかった。鍵屋さんに来てもらって新しいのに変えてもらう。12月30日、玄関の前に一匹の蟻が歩いては止まり、止まっては歩いていた。無事年を越したのだろうか。

2012年1月9日
夏はともかく冬こそ太陽熱が必要だと思う。朝起きて晴れていればそれだけでシメタと思う。曇っていたり、雨だったりすると今日の計画を変更しなければならない。ぼくはいつも天気に左右されているがこれも変化だ。

2012年12月8日
こま切れでもいいから7時間眠ると元気だ。この年になると睡眠が健康を左右する。寒くても天気の日は陽の当たる公園に行くことにしている。日光浴はぼくにとっては栄養食なんだ。

2012年1月7日
公園で日光浴。太陽の恵みは心身を暖めてくれる。暖房機の比じゃない。

2012年1月6日

上が親、下が子供。
 

2012年1月5日
絵を描いたり、年賀状の返事を書いたりの一日。アトリエのストーブの一台が壊れて寒い。外は陽が照っているけれど風がある。

2012年1月3日
昨日寝過ぎたせいで、昨夜は5〜6時間しか眠れなかった。疲れはない。今日は曇っているので公園での日光浴は無理かも。寒いアトリエで制作をすることになる。絵を描くと少しは体温が上がるだろう。

2012年1月2日
箱根駅伝を見始めたが、NHKで三宅一生さんのドキュメントがあるのでそれを見る。物創りの精神が見る者にひしひしと伝わってきて、良質の番組だった。再放送もあるので、是非!夕方までアトリエで絵の制作。初仕事である。事務所に寄るとエサがなくなっていた猫どもが、部屋中で暴れまくった様子。

2012年1月1日
新年明けましておめでとうございます。大晦日はテレビのクラシックコンサートを聴きながら、久し振りにシャーロック・ホームズを読んで、10時前に寝ました。毎年届けてくれる知人からのおせち料理が届かず、元旦の朝わざわざ知人が持ってきてくれました。おせち料理をいただきながら、ニューイヤー駅伝を見るが、まずアトリエへ。
今年最初のツイートです。先ずは新年おめでとうございます。元旦の朝日新聞で、本年度の「朝日賞」が発表されましたが、それをいただきました。第4コーナーに入ったあとの人生を体力に合わせた制作に励みたいと思います。ではまた明日。


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