YOKOO'S VISION - 横尾忠則の日記 -

2013年06月

郷里に行っていて、先っき帰ってきた。朝から墓参りをしたけれど、昨夜同窓会などあって睡眠不足のためか、熱中症気味。スポーツドリンクを飲みながら車で新神戸駅へ。

一番仕事のやりにくい人は、真面目な人だ。真面目な人は精神の遊びがないので、融通がきかない。妙に道徳的だったりする。つまり保守的で、もっといえば官僚的だ。こーいう人は芸術と関わると病気になるかも。芸術家もこーいう人に関わると病気になる。

だから芸術家は外部に向かうより内部に向かう方が危険性がない。

もうこの年になればなるようにしかならないことを信じるしかない。運命の車に乗って運命の女神の運転を信じ切って、ケチなどつけなきゃ、しかるべき所に導いてくれるだろう。

人間以外の動物は人間のような多彩な音声を持たない。人間だけが言葉を持つ動物であることが実に神秘だ。テレビでしゃべっている人達を見ていてそのことが不思議でならなかった。

オイルマッサージを受ける。大量の汗と共に毒素が出る。いい汗、悪い汗があり、塩分の濃い汗は悪。いい汗は額に10円玉を張りつけるとヌルーッと落ちる。悪い汗は10円玉が落ちない。

神戸、Y+T美術館での公開制作には遠方からも大勢の方々が来られたことを知りました。前日まで体調と相談していましたが、まだ完全ではなく大半失礼してしまいました。今週当りからそろそろ元に戻りつつあります。次回の時はガンバリます。

装幀を918点集録した本が出ました(パイ・インターナショナル刊)。内容はHPで。感想は糸井重里さんの昨日のツイッターを見て下さい。

老齢になると、若い頃と違ってあれこれ生活を工夫するようになる。体、心、仕事、休養等の調整。案外難しいが、楽しくもある。

年令と共に仕事が趣味化していく。社会性から離れていく。芸術家から職人へ。若年芸術から老年芸術へ。熊谷守一的?

四谷シモンへ。「大魔神」は東宝じゃなく大映だと教えてくれた人がいたのよね。人のこといえないね。まあ昔からボケているけど……。

過去に読んで気に入った本をもう一度読む。それでも面白ければ、それは自分の本だ。次々と新しい本を読んで、知識を得ようとも思わない。同じ本を何度も読んで本の地図を頭の中に描けばいい。その方が自分の王国が作れるような気がする。

一冊の本でなくても一人の作家の本でもいい。そんな作家が5~6人、まあ10人に満たなくても十分だ。実際に好きな画家は10人もいない。

なぜか行方不明になるコレクターが多い。だから作品も所在不明だ。作品が地上から消滅していないと思うが、再会の可能性はほとんどない。作者以上に作品の方が数奇な運命をたどるようだ。

仕事で相手(クライアント)と意見が対立するその大半は、内容に関することだが、思想で対立するのではなく、そのほとんどが経費の問題だ。経済優先のために、アートの主張を平気で無視するそんなクライアントが実に多い。これは生き方の問題だ。

こーいう考えの人に限って、常日頃アートを理解し、経済的効率の社会を批判する。ところがこーいう人間が現実にアートと関ると途端にアートの敵に豹変する。

仕事には色気を出さないようにしている。特に美味しい仕事には飛びつかないようにしている。色気を出したり、飛びついたりすると必ず落とし穴が用意されていることがあるからだ。外部への関心が強過ぎると、ピンボケで景色を眺めているようなものだ。

シモンね。「青銅の魔神」じゃなく乱歩の方は「魔人」だよ。魔神は東宝の「大魔神」だよね。

いただいたイトイ・あんこ(わが家ではイトアンと呼ぶ)を米粉パンを蒸して、薄くバターを敷いて、その上にイトアンをたっぷり塗って、マサラ・ティと飲むと、口の中で七色の味に変化、最後は すったリンゴでサラッと口直し。糸井さん試して下さい。

わが家の老猫タマは毛がまるでニワトリの羽のようにバサバサしてきて、全身トリのヌイグルミを着ているよう。その内トサカが生えたりして、ナンチャッテ。

まるまる2週間体がナマってしまっているので、目下の課題は体力づくりだが、さて何をしていいやらわかりません。

ヨーゼフ・ボイスの本を読むが、彼は芸術家以前に政治家だ。ヘル マン・ヘッセは芸術家があまり、外部や社会に関心を持つと寿命が短いと言っているが、ボイスも早く亡くなった。そー思って短命な今日の芸術家を探すと、意外に当てはまっている人が多い。

梅雨に入っているのに雨がない。こんな中途半端な気候が、ハッキリしない体を作ってしまう。

病気上りを理由に無理しない生活はやがて生活不活発病というビョーキになるという。この病気はかなりタチが悪く、そのまま老化、やがて死に至ることになりかねない。怠けて何もしない生活者(これは生活者とは言えない)も一種の生活不活発病で誰の中にもありそうだ。

わが家の猫も眠ってばかりで生活不活発病かも知れない。猫のフリ見て我がフリ直そう。病人意識がソモソモ生活不活発病だ。

ヘルマン・ヘッセの瞳はものすごく大きい。作家は観念的な人が多いから瞳は小さいけれど、中には感性の高い瞳の大きい作家もいる。それと年を取ると大きくなる人が多い。

今日は3週間ぶりで外部の人に会う。生活不活発病にならないためにも。

今日、病院に行く。ほぼ通常に戻ったことを先生ともに実感する。 その証は創作意欲の回復だ。創作に勝るサプリメントはない。

病いは気から→病いは体から→病いは薬から→病いは無知から。

ぼくにとっては病いは一種の女時(めどき)だが、女時に深く沈潜 することで、やがて男時(おどき)がやってくる。

家では全身赤装束。赤色のバイブレーションは健康色。黒色の食べ物も健康色。ノリ、塩コンブ、黒マメ、ぜんざい、あんこ、イカスミ、昆布、黒酢、オリーブ、レーズン、etc。

計ると酸素度がかなり低いらしい。話すと酸素が減るという。一日中ほとんど話さないのに酸素が低い?

実際はこんな理由とは無関係に低い病体に太陽光線は生体エネルギーの点滴だ。

釈迦は人里離れた洞窟の中ではなく、人里近い場所で住むことを勧めたように、病人として閉じ篭るのではなく世間の風に触れた方が治りが早そうだ。

用がなければ目を閉じている方がよさそうだ。見ることも五欲のひとつだから。

あんまりスローダウンな生活も覇気がなくなる。ニューヨークでは スローダウンな生き方の人ほど病気がちで、愚痴ばかりこぼしている人は寿命が短いという。そんな調査の結果が出たとか。

糸井さんは雑談しかできないというが、糸井さんの雑談は脱談だから凄い。

仲代奈緒ちゃん。ツイートありがとう。お母さんとも長い間会ってないね。でも元気でよかった。お芝居やってる? 歌も? 成城の桂花に行ってる? 絵の才能もあるから描くといいね。

黒岩涙香も読みますよ。シモン! なんで「青銅の魔神」怖いの? 時計の音怖いね。

鏡リュウジさん。いつか見てもらおーかな?

糸井さん。無職でもあんこ食べますよ。

豊島の皆さん。色々お世話になっています。ちょっとこのところ寝ころんでいますが豊島横尾館オープンまでには元気になります。熱中症癖がありますけど…。

ヤン・カワモトさん。ツイートありがとう。お変りなく?

そーですね。スローダウンの方が若返りましたか。ニューヨーカーの人種は特殊ですからね。

薬の使用は患者自身が注意していなければ、失敗することがある。症状が治まったにも関わらず、体調が改善しないことがある。副作用が他の新たな症状を起こしている場合がある。薬の処方をよく注意して読むと、副作用による場合が多いことに気づく。

病気治療は医師にまかすと同時に患者が自らの身体の情報を徹底的に知覚し、薬の効用と副作用の知識を研究して、医師とコラボレーションして治療をすると間違いない。

病室を変更することになったので、この際思い切って自宅療養に切り換えることにした。糸井さん、ありがとう。約束ちょっと延期して下さい。早速好物のカレーとぜんざいを食べたよ。好物を食べると食欲は出ますよねえ。

びっくりするほど沢山の方からお見舞いツイートいただきありがとうございました。子供の頃から虚弱体質で、そのまま77年この体質です。

体がにぶっているので、マッサージと鍼とシャンプーしてきました。3本立でまだフラついていますが、フラフラしているのはいつものことで……。

ツイッターはおしゃべりでも酸素は減りませんので、また……。